「むじゅん日和」
いよいよ明日から夏期講習が始まる。
何かが始まる前は、なぜだか無性にネガティブになる。
<授業で失敗しないだろうか>
<生徒の反応は大丈夫だろうか>
昔はそんなことなかったはずなのに、いつからこんなに憶病になってしまったんだろう。
<あの子だったらきっと、こんなこと考えないんだろうな>
今度はそうやって、誰かと自分を比べてわざわざ自信をなくす。
<ああ、それにいつまでこんな中途半端な働き方をするのだろう>
なんて、また別のところから不安を探してきたりする。
<こんなにクーラーつけっぱなしで、来月の電気代、大丈夫だろうか>
・・・もう、ここまで来るとむしろ笑えてきた。
そうだ。どんなに心配したところで、その時になってみないとわからない。
それに仮にどんなことになったって、この世が終わるわけじゃない。
なんて、ネガティブなのかポジティブなのかわからないことを考えながら、冷静に明日の準備をし始める。
我ながら、よくわからない生き物だ。
けど、そんな矛盾だらけの自分を好きにというより、楽しめるようになってきた。
<<だって、これが私だもん。仕方ない>>
そう言えば昔、同じようなことを言っては、母を呆れさせていたような気がする。
ネガティブなのかポジティブなのかよくわからない。
でも、それが私。
どうやら今日は、むじゅん日和らしい。